令和5年(2023)日展出品作 236×186(㎝)

『雪迎え』制作にあたりて

雪月花・花鳥風月風詠は 列島文化美の主座にして主柱
それは四季巡り来る大自然の妙と
それを愛でる民族との共生により
縄文のころ 一木一草宿神の生活法に芽生え
仏教伝来と共に開花し
神精仏性の美学を秘め ここに気高き環境芸術の大樹と育つ

今 雪たちは 
これらの詩情も豊かに清らの風花(かざはな)となって
天空の彼方より舞い来たる
その那由多(なゆた)のひとひらには
去り行きし非情・有情の当体すべてが真白き精霊の姿して
地上恋しと舞い戻る
人の世のため 再びの利雪ならむと 舞い戻る

今年の冬も雪迎え 遥かを集めて 雪迎え